2025/04/29
まず一番のきっかけは、数年前にアイティップス様のラトネッシュ社長と出会ったことです。
私たちにとって、技能実習生や特定技能といった形で海外人材を受け入れるのは、今回が初めての挑戦でした。正直、周りの話を聞いていると、外国人材が日本の建設現場に「馴染んでいる」という印象をあまり持てていませんでした。
だからこそ、今回新しい挑戦として受け入れる以上は、「成功事例」にしたい、きちっとインドの方が日本に馴染んで、彼らの力を発揮してもらえるような事例を作りたい、と強く思っていました。
そして、そうした目標を目指すにあたり、アイティップス様は私たちと同じように、新しいことに「挑戦していく」ベンチャー企業だと感じたんです。
これからきっと、色々な「うまくいかないこと」が出てくると思います。そんな時に、アイティップス様となら、一緒に課題を乗り越えて、より良いものを作っていけるのではないか、そういったパートナーシップを築いていけるのではないか、と感じました。
私たちも、アイティップス様も、この新しい取り組みを成功させたいという強い思いを持っています。だからこそ、単に人材を紹介してもらうだけでなく、これから起こるであろう困難も共に乗り越え、一緒に成長していける。それが、アイティップス様と一緒にやりたいと思った一番の理由です。
今回、外国人材の受け入れを決めたのは、会社の将来を見据えた経営的な判断でした。ですが、実際に現場のメンバーや他の管理職に話してみると、意外な反応がありました。
正直、社内では「外国人材が日本の建設現場に馴染むのかな?」という懸念もゼロではありませんでした。ですが、実際に話を聞いてみると、新しい、そして働く意欲を持った人材が入ってくることに対して、非常に好意的に受け止めてくれているんです。
特に現場のメンバーは、彼らが来ることを「楽しみ」にしてくれている雰囲気が伝わってきました。中には、「次の社員旅行は、インド人が来るから富士山にしようか、それとも北海道かな?」なんて具体的に考えてくれるメンバーや、「英語、勉強したかったんだよ!話せるようになりたい!」と言っている若手もいたりして、すごく印象に残っています。
今はまだ実際に彼らが来ているわけではありませんし、来てみたら相性が合わないといった課題もきっと出てくると思います。ですが、少なくとも今回の件を通して、現場が「活性化」されたというか、新しい「ゆらぎ」が生まれて、みんながすごく前向きな気持ちになっているのを強く感じています。
これまでになく、社内の「熱量」が高まっているのを感じます。この良い勢いのまま、外国人材の受け入れという新しい挑戦を、社内一丸となって乗り越えていけたらと思っています。
訓練校を訪問して、まず驚いたのは、生徒さんたちが非常に真剣に学習に取り組んでいることでした。日本語の勉強だけでなく、日本の文化や、建設業界で働く上でのマナーなども含めて、本当に熱心に取り組んでいました。彼らの学ぶ姿勢には、心を打たれました。
訓練校は、都市部から少し離れた場所にありました。誤解を恐れずに言うと、インフラは正直まだまだ整っていない部分が多く、ボロボロのところもありました。
しかし、私たちのような公共インフラ(道路や河川など)を整備する建設会社からすると、日本のインフラがどれだけ素晴らしいかを改めて感じると同時に、彼らが母国に帰った時に、日本で学んだ技術や経験が確実に「生きる」ということを確信しました。
今回採用した彼らが、5年後に日本に残るのか、母国に帰るのかは分かりません。ですが、もし母国に帰る選択をしたとしても、日本で身につけた技術や経験は、必ず彼らの力になるはずです。
そう考えると、私たち受け入れ側としても、彼らに技術や日本のことを教える「やりがい」がありますし、彼らが母国に帰って活躍する姿を想像すると、外国人材を受け入れること自体の「やりがい」も強く感じられるんです。
ただ単に人手不足を補うためではなく、彼らの将来や母国の発展に貢献できる可能性がある。それが分かったことで、より一層この取り組みに力を入れていきたいと強く思いました。今回の訓練校訪問は、私たちにとって非常に大きな気づきと学びの機会でした。
外国人材の受け入れを進める上で、私たち受け入れ企業同士の「横のつながり」も非常に重要だと考えています。
今回、アイティップス様のサービスを利用して、同じタイミングで外国人材を受け入れる企業さんがいます。今後、東海エリアで外国人材を受け入れる企業が増えていくと思いますが、それぞれの会社には、外国人材の受け入れや育成に関して、私たちにはない「良いところ」もあれば、逆に「難しいところ」もあるはずです。
大切なのは、お互いの経験を共有し、良い意味で「切磋琢磨」していくことだと考えています。情報交換をしながら、「うちはこうやったらうまくいったよ」「こういう時は大変だったよ」といった話を共有することで、受け入れ側全体のレベルアップに繋がるのではないかと思っています。
私たち建設業界は、もともと地域性が強く、会社同士が全く無関係というわけではありません。競争相手ではあるけれど、「お互い持ちつ持たれつで」やっていこうという文化があるように感じています。だからこそ、外国人材の受け入れに関しても、積極的に情報共有し、横のつながりを深めていく土壌はあると思っています。
この取り組みをきっかけに、受け入れ企業同士はもちろん、最終的に日本で活躍してくれるのは日本人材なので、彼らが地域に馴染んで定着していくためにも、様々なレベルでの「横のつながり」が生まれていくと良いなと期待しています。
例えば、「この人とは情報交換しやすいな」といった個人的な繋がりや、今回の受け入れを機に、地域や業種の枠を超えた「コミュニティ」のようなものができて、成功事例だけでなく、困難な経験も包み隠さず話せるような関係性が広がっていけば理想的だと考えています。
今回、私たちはアイティップス様と共に「ファーストペンギン」として、外国人材の受け入れに挑戦しています。だからこそ、まずは私たちがしっかりと「成功事例」となるよう、受け入れた人材に日本で活躍してもらい、定着をサポートしていく責任を感じています。そして、その経験を積極的に共有し、後に続く企業さんが安心して外国人材を受け入れられるような環境づくりに貢献していきたいと思っています。